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2011/12/24

DAWN(更新)

全く季節性のない投稿です。

留学中、「魔女の宅急便」にやたら共感することと、日本語の活字に飢えること、の2つがあった。魔女宅は悩んじゃいないけど、文字通り誰一人知らない街へ行き、身近な人達から広げていって自分の居場所を獲得するっていうサクセスストーリーに、「あーこのパン屋はこの人やなぁ」とか思いながらなんとなく自分の状況を重ねた。もうひとつは中毒性があって、インターネットがあるから日本のニュースサイトを徘徊したり、読みたい本を親に注文して取り寄せてもらったりしていた。

今回読んだ「DAWN」も、そんな時に「ラジオ版学問ノススメ」を聞いて絶対読もう!と思っていた本。2年越しにブックオフで対面。





2036年、人類を代表して選ばれた6人の宇宙飛行士が、火星探査から帰還後の物語。娯楽小説としても、近未来の社会予想としても楽しめる。

登場人物とプロットが多いので、気になった考え方とともにネタバレにならない程度に抜き出してみました。下にちゃんとマインドマップが表示されてると良いのだけど。小さかったら右下のボタンで拡大してください。



1984年、華氏451度など、どちらかというと社会システムを扱ったSFはが好きなので(ちなみに華氏451はベルギーで読んだ)、この本も同様に面白かった。1984もこれも、Science FictionよりはSocial Fictionって感じだけど、未来予想をしてる小説はSci Fiに分類されるのかね。「SF」って言葉は、未来が科学によって左右されると思われてた時代に作られたのかな。この定義は難しいみたい。色んな事にサイクルがあるように、人の生き方を左右するファクターも科学→社会制度や主義主張→経済→科学→???と変わっていく。今年は科学を線形的・硬直的に進めていく危うさが露になった年。

社会システムの面で、ディヴィジュアル(分人主義)という概念は斬新だった。よく考えれば普段人間同士で当たり前にやっているんだけど、それをきちんと定義してあげているのがすごい。誰だってコミュニティや相手によって自分を演じ分けている。それがそういうもんだって最初っから決めてあげれば、悩んだり整理する必要もなくなって楽になる。社会の規範からは外れてるけど暗黙の了解とすることと、社会が陽に受容してあげることは違う。

あと社会の監視システムである散影について。おそらく執筆当初の2009年と現在で違うのは、これだけ多くの人がFacebookやTwitterで「いま、だれと、どこで、なにをしている」かを自ら発信するようになったこと。皆自分のディヴィジュアルを作りたがっている?

2011/11/22

サロン

先輩のやっている,「サロン」という名の勉強会で発表してきました.発表資料はこちら(PDFが開きます).

サロンとは,何でもいいから自分の興味のあることについて発表し,議論する会です.ホームページ怪しげな色使いですが,過去の内容を見てみるとこれまた怪しげです.まぁ,こうやって,いつも所属してる場以外で,個人として何かに対して議論する場って,働き始めると今以上に大事だろーな.

ついでに参考文献リストを作りました.秋の夜長に,ガチな宇宙の本でもぜひ.



2011/11/14

福島の仮設でモデルロケットを打ち上げてきた

この土日を利用して、福島の仮設住宅にボランティアに行ってきた。

【やったこと】
とあるNPO団体のプログラムに参加して、仮設住宅で家庭教師をした。被災地では転校を繰り返した結果、転校前後の学校間の授業進度の違いから勉強が遅れてしまう子がいる。そういう子のフォローをしましょう、という活動。ボランティア参加は夏の災害ソリューションに引き続き2回目、この活動は初めてだった。ただ家庭教師をするだけではつまらないので、子供と一緒にモデルロケットを打ち上げようというのを企画・打ち上げてきた。

【ボランティア団体について】
NPO法人が企業から助成金を勝ち取っており、活動にかかる学生の負担はゼロ。ロケットも含めた教材も団体が負担してくれた。活動のやり方も、関わっている人も地に足の着いた考え方をするしっかりした人ばかりだった。この活動で最も刺激になったのは、社会人サイドで関わっている人たちに触れたことだと思う。数年間働いて、余力とスキルとビジョンを駆使して昔の仲間と若い子たちと夜のため人のためになることをする。なんて素敵。自分に足りないものが色々と見つかる。

【家庭教師について】
・隔週、毎回固定メンバーがほとんどいない団体で家庭教師を行うので、固定の子供に固定の先生がつくのは不可能。そのため教える際にはプランニングの仕方や勉強法など、長期的に役立つものに注力。勉強以上に大事なのは、子供とよく喋り、たとえ一回でも関係を築くこと。
・子供間の学力差は全国どこもそんなに変わらない。塾講師をやって得た結論は、学力は親がどう生きてきたかで決まる。仮設に住んでいることが主因で成績の悪い子はいない気がした。
・と同時に学校を巡る環境はよくない。高校がサテライト校といって、県内各地に分散された学校に通っていた高校2年生の子は、現在全校生徒8人、文系理系を教え分けるほどの先生のいない学校で、受験に全く対応していないカリキュラム出勉強していた。他にも、バスで20キロ離れたところまで通う中学生もいた。

【モデルロケットについて】
予想以上に子供にも大人にも、ボランティア参加者側にもウケはよかった。ホリエモンが「福一の跡地を宇宙港にすべきや」と言ったとか言わなかったとか知らないが、僕も津波で全て流された陸前高田を見て「ここならロケット上げ放題じゃん」と思ったことが今回の企画のきっかけだったりする。モデルロケットを科学教育に結び付けられればアドバンスドサクセスだが、説明してると飽きちゃうかなっと思ってあえて打ち上げるだけにしてみた。子供を惹きつける解説→打上げ→科学への興味、とできる諸先生方はすごい。せっかくのトビモノ企画だし、場数を踏みたい。

【子供と触れ合うことについて】
普段触れることもないし、小学生と関わるのは苦手だ。工学部男子だし。 なので今回は学ぶことだらけ。
・子供を叱るときは、相手のことをちゃんと思った上で叱る。子供が騒ぐのがいけないんじゃなくて、その結果彼らの遊び場が取り上げられちゃうことを叱る。結局、子供って気持ちで動く。だからこっちが相手のことをどれだけ考えてるかってのに敏感。
・小学校低学年の子供が暴力に走るのは、構ってちゃんの裏返し。どんな形であれ構ってあげること。でもそれが慣れ合いになっちゃっちゃーだめだよなー。

2011/10/14

LEGO Mindstorm®とCANSAT


一週間International Aerospace Congress 2011に参加するためにケープタウンに行って来ました。自然は豊かだし治安も言うほど悪くないし、快適な一週間でした。

IACってのは、航空宇宙系のアカデミックなお祭りです。毎年国を変えて、学会ニ加え企業や各国宇宙機関ブースがあり、幕張メッセで展示会しながら学会してるようなもんです。
オープニングも派手

派遣学生は色々とアウトリーチ活動(対外教育活動)をすることがあり、その中でNASAの学生が主体となって行われた活動にあったのが、LEGO Mindstormを地元の中学生にやらせようというもの。マインドストームってのは、LabVIEWベースのグラフィカルプログラミング言語(G言語)でロボットの制御をしようっていう教材のこと。直感的に組めるので、小学生でもちょっと複雑な動きをするロボット(輪っかに腕を通して持ち上げて所定の場所まで運ぶ、とか、ちょっと頑張れば画像処理で赤い目標を見つけてゴールまで運ぶ、など)が作れます。将来子供にやらせたい。ちなみに製作はLEGOとMITの学生だとか。さすが。

プログラミング画面

これ見てて、下手したら大学院生の作るCANSAT(ここここここが参考)よりも高度なことを小学生が作れるんじゃないかと思いました。もちろん、両者の目的は全然異なっていて、マインドストームはアルゴリズムの学習を効率的に行うためのもので、CANSATは様々な要素を頑丈で小さな機体に工夫して詰め込む「ものづくり」の実践としてベストな教材です。そこら辺に日米の考え方の違いみたいなものが現れてるってのは極端だけど。

これを組み込みシステムの研修と捉えたときに、どちらが効果的なのか。違いは各機器のハード/ソフトのAPIを自作する必要があるか、お金で買うか。僕は教育レベルから、マインドストームのような効率の良い開発環境に慣れておくべきだと思います。

実際の会社の開発環境はわかりませんが、汎用的な機器を扱っているのであれば、大抵のAPIは開発者が開発する必要はないんじゃないか。それに、共通のAPIが用意されている環境に慣れていれば、自然と新しいものを作るとき、「標準をつくろう、だって楽だもん」っていう頭になるんじゃないか。そんなのがつながってるのが、大学衛星のプログラムの再利用性を上げようとするほどよしSDKプロジェクトだったりします。

一方で、C言語でひーこらいいながらAPI作って半田付けして、シリアル通信が上手くいかないからタイマーで10μsec待機して…ってやってると、自然と「どんなことでも、寝ないで頑張ればできる」っていう頭になるんじゃないか。

そのへんが、どの業界でも汎用的に使われてるソフトはどれも海外製っていうことの背景にもあるんじゃないかなー。

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