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2012/05/08

日系企業の海外進出(その1)

国内市場の縮小と、企業の海外進出が叫ばれる昨今。確かに誰が見ても、もうこの国にはそんなに市場が広がる余地は残されていなくって、発展を遂げる新興国に市場を求めて行くしかないように思える。

この仮定が正しいものとして、疑問が2つ。1点目、これと同じ事って、昔からずーと起きてたんじゃないの?最近脚光を浴びているのは、『グローバル化』っていう、現状を表す言葉が最近たまたまできたから、ようやく語りやすくなっただけでは。この国が不景気なのって90年以降、すなわち僕らが物心ついてからずっとだし、どうやら80年頃に日本企業の海外大進出なる時代があったらしい。この辺の歴史から学ぶことは意外と多いんじゃないか。

てゆーか学んでるのか?3.11、阪神大震災、地下鉄サリン事件、僕が記憶にある限り、この国を襲ったカタストロフィを糧に変わったことって、大きなシステムの改善ではなく、例えば震災直後にボランティアが被災地になだれ込むことがなくなったような、ボトムアップでしかない気がする。結局東日本と西日本は電気の周波数50Hzと60Hzで違うまんまだし。原発の全停止もトップダウンではないし。

2点目、これは少し先の話だけど、仮に新興国が全て先進国化したら、その理屈だともうどこにも市場が広がる余地がなくなってしまう。どーすんの?星の開拓に乗り出す?それも面白いけど、人口や面積の規模の広がることのない先進国内に市場を見出すノウハウを今のうちからつけておけば、その先強いんじゃない??

ーー

1点目について見ていきます。「海外進出 80年代」でググった中からテキトーに見繕った論文をチェック。

『日本企業の国際競争力と海外進出 ―『空洞化』の実態と対応策―』
学習院大学経済学部教授 宮川務
開発金融研究所報 2003年3月 第15号
www.jbic.go.jp/ja/investment/research/report/archive/.../15_02.pdf

国内経済の低迷の実態として、国内ニーズの低減と同時に、生産性が上がった分の所得減少がある(残業代分の稼ぎがなくなったということ)。さらに国際競争力をみると、2000年の時点で全ての業種で韓国、中国のそれぞれに価格競争力で日本が負けていることが示される(ここで価格競争力は生産性格差とコスト比率の比で表される)。価格競争力に対する為替レートの影響力は、日韓・日中よりも日米の方が大きいと著者は主張する(だから何?)。

また産業の空洞化と言われる、生産拠点の海外転出について、為替レートの悪化が主因ではないことも主張される。でも何が主因かは言っていない。海外転出については、生産性の高い電気機械系で多いことがわかる。でもこれって、生産性が高いからこそ、賃金の安い海外に転出して行ったってことじゃないの?なんだかなー。

90年代アメリカが、同様の競争力低下から回復した要因として、IT革命・金融革命がある。そこで日本の今後の提言として、生産業はもう十分生産性が良いので、今後国内経済をより良くする着眼点として、流通・エネルギーなどの非製造業の生産性向上を図ることを述べている。

この論文の最も残念なところは、一番知りたい、だからどうすればいいかっていう提言のところで、定量的な考察が全くないこと。定量的な現状分析って点では面白かった。製造業はやっぱり、生産性向上っていう左脳仕事は結構いいところまできてるから、あとは何を作るかっていう右脳仕事が今後大事、っていうのを証明してくれてた。

日本企業の海外進出状況
経産省の統計
www.meti.go.jp/statistics/.../h2c3e1ni.pdf
ほぼどの産業も、海外進出は86年から95年にピークを迎え、以降一斉に減少に転じていることがわかる。

(次回へ続く)

1 件のコメント:

  1. あ、市場拡大=海外進出、なのは、僕がインフラ業界に身を置いてるからか。

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