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2012/07/06

読書録

【考えるクルマが未来を変える】
★★★☆☆
MITメディアラボの提唱する、近未来のクルマについて紹介した本。クルマに必要なのは、①再生エネルギーで動くこと、②ネットワークを有すること。☆2つ。

<ここがイマイチ>
・魅せ方にこだわるあまり、夜中のテレビショッピングばりの、わかりやすくもうさんくさい宣伝文句になっているところ。「○○な技術と※※な技術が飛躍的に収束すれば、燃費は最低10%は向上するだろう。」とか。漠然とした過程と具体的な結論。そして明るい未来が待っている!それがアメリカの良い所なんだろーな。もっと反論も際立たせて欲しかった。

・再生エネルギー、ネットワークってところに意外性がない。イノベーションはアイディアの組み合わせだっていうけれど、それの王道すぎる。クルマ乗ってる時に、皆インターネットしたがるかな?

・ 訳が直訳すぎる。例えば本文194ページ。
「クルマを、ネットワークから切り離されたデバイスであり、(貧弱な構造の、不安定で脆弱なサプライ・チェーンを通じて届けられる)エネルギーを、必ずしも合理的とは言えない価格でときどき大量購入して補給しなければならないものと考える必要はない。(中略)その代わりに、歴史的に別個のシステムとして都市を支えてきたシステムの統合に着手すべきだ。」

「クルマのエネルギー源はこれまで、不安定なサプライ・チェーンに依存していた。入手の際も、必ずしも合理的とは言えない価格で、大量にまとめて購入していた。」
…やってみて思ったけど、科学系翻訳って正確さが求められるから、意訳するのに勇気がいるし、何より意訳を変えてもまどろっこしさはあんまり変わらないね。

<ここが素晴らしい!>
・スケッチと表紙のフォントがよくて買った。文章も含めて魅せ方に凝っている。…結果的には魅せ方に裏切られたのだけど^^;

・称賛すべきは、社会システムからブレイクダウンして車の設計に落としているところと、それを長スパンでいかに実現するかを考えているところ。都市内移動手段としての自動車への要求再定義からはじめて、クルマそのもののデザイン、道路、充電環境、安全、混雑緩和、スマートグリッドなど、体系的にまとめている。新しいものを提案する研究発表のお手本のような本。現状をとりあえず受け入れて、細かいスペックを向上させる、カイゼンの塊のモノづくりをしている日本ではあまり見ない…気がする。

・ホイールモータの電気自動車って、構造が単純な分デザインの比率が増す。きっと単純な外形のデザインだけでは淘汰され、電気自動車界のiPhoneが出てくるだろう。



【つくること、つくらないこと】
★★☆☆☆
コミュニティデザインについての対談本。☆3つ。

先日福島に行ってから、コミュニティってどーやったら面白くなるんだろうと考えていた。そんな中「コミュニティデザイナー」という肩書きの山崎亮さんの本が目に止まった。「ランドスケープアーキテクト」なる肩書きの長谷川さんと、多様なゲストの方々と対談する本。面白いコミュニティは自然発生しない。コミュニティを面白くするには、面白いコミュニティをきちんとデザインする事から始める事が大事だってことに目をつけられる人がいること。そっから先の方法論に王道なんてない。きちんと考えられる人なら、例えば容積率を低くして、ふらっとやってきた人の居場所を作る、とか、何がしか考えられる。だから福島の仮設のコミュニティに問題があるならば、良い解決策につながるのは、現地に現状を問題だと認識し、俺/私はこういうコミュニティにしたいっていう目標を持てる人が出てくること。最近デザイン思考って言葉が流行ってるけど、まさにそれ。


【超高層ビルの”なぜ”を科学する】
 ★★☆☆☆
タイトル通りの本。暇つぶしにちょうどいいと思って買った。☆3つ。

同じシリーズで、人工衛星版が研修時に配られた。それが以外にマニアックで面白かったので、シリーズを買ってみた。面白い。この本は大成建設執筆。
「高層階のトイレにはどうやって水を送っているの?」「短納期でランドマークタワーが建設できた秘訣は?」「ネジ一本落とさない建設現場の工夫とは?」「まっすぐ立てるためのコツ」など、そそるタイトルがたくさん。
 人工衛星編もガチでオススメです。

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