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2014/06/06

夢の話

僕の好きな映画に、エターナル・サンシャインというのがある。マルコヴィッチの穴のチャーリー・カウフマン脚本で、トゥルーマン・ショーのジム・キャリーと、タイタニックのケイト・ウィンスレット主演の映画。以下Wikipediaより。

あらすじ[編集]

もうすぐヴァレンタインという季節。平凡な男ジョエルは、恋人クレメンタイン(クレム)と喧嘩をしてしまう。何とか仲直りしようとプレゼントを買って彼女の働く本屋に行くが、クレムは彼を知らないかのように扱い、目の前でほかの男といちゃつく始末。ジョエルはひどいショックを受ける。やがて彼はクレムが記憶を消す手術を受けたことを知る。苦しんだ末、ジョエルもクレムの記憶を消し去る手術を受けることを決心。手術を受けながら、ジョエルはクレムとの思い出をさまよい、やがて無意識下で手術に抵抗し始める。




さて、この映画は、夢の中で彼女の記憶を消されまいと抵抗するシーンが見もの。てわけで今日のテーマは夢。

夢はなぜ物語調なんだろう?

起きてから夢の内容を冷静に振り返ると荒唐無稽なんだけど、夢を見ている最中は、それがどんなに荒唐無稽なことでも僕らは必死にその中を生きている。でも別に物語じゃなくてもいいじゃん。

なんででしょう。この記事では、フロイトなんていう変態おじいさんのオカルト占いは話題にせず、あくまで最近の解釈を紹介します。

ホブソンがAIM (Activation Input Modulation) モデルで表したのは、起きている時とREM睡眠時は、脳に対する刺激源が外的か内的かの違いなだけで、どちらも同じように活性化しているということ。起きている時は外部刺激から、REM睡眠時は脳幹から不定期に発せられるPGO (Pons 橋, Geniculate body 膝状体, Occipital lobe 後頭葉) 波が、それぞれ入力となって、意識が後付けで物語を作ろうとする。寝ている時のPGO波はランダムに生じるため、それを意識が後から解釈して作る物語は脈絡もなくなるということ。

つまり、インプットが違うだけで、覚醒時もREM睡眠で夢を見ている時も、脳は同じように働いているというのだ。

左側がAIMモデルにおいて覚醒・Non-REM・REM睡眠のそれぞれを比較している図

この、意識が後付けで物語をつくろうとする、ってところがミソ。実は、これは起きている間も一緒。起きている間の人間の意識って、『外部からの入力×脳のゆらぎ(脳内のランダムな波状の電気信号)→行動→認知』なんだって。実際に動いてから、動いたことを知覚するらしい。どういうことか。

例えば筋肉を動かすときの人間の行動は、

筋肉を動かそうという意思が生じる
筋肉を動かそうとする
動かす信号が筋肉に届く
筋肉が動く

ではなくって、実際の時系列では、

①無意識下で脳が筋肉を動かす信号を生じさせる
②筋肉を動かそうという意思が生じる
③筋肉が動く
④筋肉に動けという信号を送る

の順に動作するんだって。
ここで、④で筋肉に信号が届いてないのに③で筋肉が動いてるじゃん!と思うかもしれない。①③は無意識、②④は意識下の行動だってことに注意して欲しい。人間の行動は、機械的に生じた動作によって生まれて、生まれた動作を解釈して意識が生まれ、自分の行動をフィードフォワード制御的に予測して、あたかも自分の意志で体が動いているように知覚しているんだそうな。へぇ。

脳のゆらぎを可視化したもの。池谷 裕二ホームページより。
さらに言うと、人間には自由意志があるわけではなくて、上記機械的に生じた動作を、後から否定することしかできないんだと。これを池谷さんは自由否定だという。

例えば、勉強中に眠くなったとする。そうするとだんだん手癖が悪くなる。髪を触ったり、痒いとこかいたり、鉛筆回したり。無意識の動作が増えてくる。これは、意識による自由否定が弱くなったことの現れなのかな。

こうなると、僕らの意識って、いったい何?って思う。僕らが行動したりいろんなことを考えているのは、全て機械的な入力と「脳のゆらぎ」の結果だと。そうすると、単純な機械と高等な人間の区別が曖昧になる。人間らしいとされる感情さえも、入力に対して、その結果行動するための判断材料として機械的に用意されたものにすぎないかもしれない。

なぜ、進化の結果こんな仕組みが残ったんだろう。
もしかしたら、学習こそが強みである高等な動物にとって、ある程度の判断を機械に任せるような仕組みの方が、学習をする上で効率が良いのかもしれない。

なぜ、「人間らしい/模範的」とされる行動は、自由否定たっぷりな行動ばかりなのだろう。
もしかしたら、農耕が始まって社会性が大事になったあたりから、自分の行動に制約をかける事こそが、生存するのに必須な条件になったのかもしれない。

そういえばアボリジニの教えか何かに、『我々の夢には先祖代々の記憶が伝わっている』みたいのがあったと誰かから聞いた。そういうスピリチュアルなのもわるかないよね。

さあ今夜は、どんな夢を見るでしょうか。


↓参考にした本↓


↓それぞれの著者のホームページ↓
池谷裕二
渡辺恒夫およびその夢日記


あ、最後、参考にならなかった本を追加しとくと、茂木健一郎の本。彼は説明できないことを「クオリア」という言葉でごまかし、あとはひたすら自分語り、という本を出していた。エッセイとして読めば面白いのかもね!

おやすみなさい。


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