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2015/03/18

昆虫-驚異の微小脳

夢の話をちょっと前に書いた、と思ったら、あれを書いたのは三四半期前なのか。time flies.

今日は虫の脳の話。たまたま借りたこの本が意外に面白かったので。


昆虫-驚異の微小脳 水波誠著



手にとった理由は、昆虫って記憶があるの?という昔からの疑問から。。。。。
と思って改めてこのブログを読み返すと、なんと2年前に、まさにこの本に触れている!その時は本を読むにまで至らなかった。26歳の魂28歳まで。what a coincidence!!

さて、この本は、ヒトと昆虫の、脳や体の相違点/類似点をまとめたもの。昆虫のメカニズムは、ドローンやロボットのそれにいくらでも応用できそう。2009年の論文ですが、こんなのもすぐ見つかりました。CANSATの良いネタになると思う。

Attitude Stabilization of a Biologically Inspired Robotic Housefly via Dynamic Multimodal Attitude Estimation (PDFが開きます)

この本、どのページから剥いても目からウロコだったんですが、気になった点を列挙します。

  • ヒト(脊椎動物)と、昆虫(節足動物)の体のつくりは意外と似てる。でも昆虫には血管が無い。
画像をクリックすると著者のインタビューページに飛びます

ヒトと似ているのは、腸管と神経節が体を貫くように通っていること。どっちが背中側かって違いはあるけれど、逆なだけで基本構成は一緒だってのが最近の見解らしい。カンブリア紀にピカイアとアノマロカリスに別れる前から、両者は同じ祖先を持ってたってこと。

血管がない、とは、脊椎動物のように、心臓が血管に血液を送り出して循環させる、ってスタイルじゃなくって、節足動物は体内に血液が満たされていて、背脈管で循環させている。さらに言うなら肺もなくて、体の側面に空いている気門から酸素を直接取り込む。あ、でもさすがに各所への神経は線でつながってるのかな。



  • 複眼、単眼

イエバエは両目で1万2千の画素を持つ。デジカメに比べて、空間分解能が低いのはわかる。一個一個の視力は0.02くらい。ド近眼。その代わり視野は広い。

複眼には、複数のレンズに対し網膜が連続している重複像眼と、レンズ数と網膜数が1対1対応の連立像眼の2種類がある。ハエやトンボやハチは後者。かつ、人間の目の時間分解能が15~60Hzなのに対し、それらの昆虫は150Hzくらい。ハエはそれだけの速度で、1万2千の近眼の眼の情報を並列で処理している。動きの処理に特化してるってことやね。

さらに単眼。 空をとぶ複眼の昆虫には、実は単眼も付いている。天津飯か。

この単眼、目が悪いどころか、像を網膜の後ろで結ぶレンズが付いているので、明るいかどうかしかわからない。この眼で紫外線を捕らえ、上(+Z)方向がどっちかを瞬時に判断するそうな。シンプル&ハイブリッド。処理速度重視。


  • 虫も学習する
そして学習の仕組みはヒトのそれとあまり変わらない。なのでここでの話は昆虫に限った話ではない話。きっと。

美味しいご飯がを観るとヨダレが出るように、報酬につながるものを感じる→電気信号が出る→脳内で化学物質が出る→ヨダレがでる。の流れ。この途中を端折って、脳内に化学物質を送り込む→ヨダレがでる、はもうあらかた実現してる。昆虫の報酬系を操作することだってできる。

  • サハラサバクアリの経路計算能力
色んな動物の帰巣本能ってすごい。でもサハラサバクアリのそれは、小惑星探査機と似たような仕組みになっている。

サハラサバクアリの眼には、青空に太陽方向を示す偏光の模様が見えている。彼らはそれによる太陽方向ベクトルと、歩数による道のりを積分計算し、巣と自分の現在地を結ぶベクトルを常に把握している。つまり、ある程度右往左往してから、一直線に巣を目指すこともできる。

それだけではなく、どうやら目的地に近づくと、今度は肉眼で風景を見分けて詳細なサーチをするんだそうな。電波測距とONC-Tか。


などなど、まぁ盛りだくさんなので、読んでみてね!

ついでに、昆虫の進化的なSF話で面白かったのはこちら。




ではでは。

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